テーブル山水

マンションや建売住宅の増加につれて、現代人は《自宅の庭》を持たなくなったと言われます。しかしそれは決して庭園への興味を失ったということではなく、持ちたくても管理できないために持てない、というのが現状だと考えます。

新居のオーナーと建築士とのやり取りは「限られたスペースに生活空間をどれだけ広く確保できるか？」が優先され、庭園といえばせいぜい、敷地の一角を緑化するのが精一杯。その一方で、たとえ小さくても、たとえ狭くても、自分が暮らす生活環境の中に緑を置きたい、と願う方も少なからずいらっしゃいます。プランターの草花を置いたり、家庭菜園を作って楽しんでいる層が一定数存在することは、その裏付けです。
しかし、庭園は非常に《管理》が大変であり「それにかかる経費を考えれば、無理に保つ必要はない」という主張にも一理あります。

このテーブル山水は、そうした現代において庭園への憧れを持ち続けておられる方々に向けた、限られた空間のなかで具現化していただくための、いわば“日本庭園の凝縮版”です。